携帯のアラームが鳴り起きた。

横で寝ている大和を起こす。


寝癖だらけの髪のまま、大和はベッド脇でぼーっとしていた。


私がバスルームに行き、鏡の前で歯を磨いていると、大和もフラフラやってきた。

まだ寝ぼけてそうだったので、歯ブラシに歯磨き粉をつけて渡すと、黙って磨き出した。


磨きながら何度もあくびをする大和に、寝られへんかったん?と聞くと、明け方まで寝られへんかった。と言う。

私が明け方起きた直前まで起きていたようだった。



…それってもしかしてリオのせい?笑

…他誰がいてるん。

ごめんなさい。

リオ覚えてないやろ。

…何が?

お前俺の上で寝たやろ?
あれから布団に入ろと思て。
俺が布団入ろって言うてお前の事持ち上げたら目開けてん。

えっ!?
起きた!?

いや。
目は開けてたけどトローンとしててニヤニヤしてたから。
やっぱり酔っぱらってたんやろな。

…全然覚えてない 笑

俺がベッドにリオ寝かせて布団かけて。
それからシャワー浴びてこようとしたら、いきなり行かんといてとか言うねん。

…うそや 笑

ん?と思ってお前見たら、行かんといてっていうて甘えてくるから。
あれ?もしかしたら寝ぼけてるん違うくて、ほんまに誘てんのかなと思って布団に入ってん。
そしたら大和大好きーっていうて俺に抱きついてきてん。


私は全く記憶にない記憶を必死で呼び覚まそうとしていた。


しゃーないな。やっと素直になったんかと思って背中から手入れたら…

えーーーっ!!??
なに勝手にしてるん (怒)

…お前また寝てたで。
ん?と思ってリオ?リオ?って呼んでも全く返事せーへんし。
そのうちグーグーいびきかきだした。


大和に話される昨夜の出来事が一欠片も思い出せず、焦ってきた。


…私お酒飲んだらやばいな。

そーやで。
お前酒飲むな。
毎回あんなになるんかと思ったらむかつくわ。



私はこの日初めて、お酒で記憶を無くすという事を体験した。



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